〇ジムトレーナーの仕事⑥:スタジオレッスン
いわゆるフィットネスクラブやスポーツジムと呼ばれる施設ではスタジオレッスンというものを提供しています。皆さんがイメージしやすいものですと「エアロビクス」や「ヨガ」のレッスンがありますね。都心ではスタジオレッスンのみを提供している施設も数多くあります。
スタジオレッスンは部活のようにみんなで集まって同じ運動を乗り越え楽しむという中々大人になってからは味わえない非日常を体験できる貴重なシステムです。一人で中々一人で運動サークルに入るのが気が引けるという人でもスタジオレッスンなら開催時間に合わせていくだけで気軽に参加できます。あまり他人との会話が得意じゃなくても参加しやすいシステムになっています。
・新人は必ずスタジオレッスンを担当する
さて
そんなスタジオレッスンですが、フィットネスクラブに入社すると恐らく3ヵ月から半年以内に自分のクラスを持つことになるでしょう。これはもう慣習的に新人はからならず一つはレッスンを持たされます。
なぜレッスンクラスを半強制的に担当することになるかというと
- お客様に顔を売るため
- コミュニケーション能力の向上
- 運動指導スキルの向上
- 営業力向上
- セルフマネジメントスキルの向上
これらの要素が大きくなります。
要は手っ取り早い実践研修ですね。
・お客様に顔を売るため
スタジオレッスンは毎週決まった時間に決まった内容のレッスンを行います。
1レッスンで10名以上、規模の大きいクラブだと50名以上の参加者がいる中で
いわゆる「先生」をやるわけなので担当しているだけでもそれなりに
お客様から認知されるようになります。
お客様から認知されるようになることで、ジムでもお客様との会話が生まれて
自然に多くのお客様とコミュニケーションが取れるようになってきます。
・コミュニケーション能力の向上
前述のように多くのお客様と向き合うことで
強制的にコミュニケーションスキルが身に付きます。
お客様にも様々な性格の方がいらっしゃいますから
色々なパターンの接客が必要になります。
また、多くのお客様が安全に運動が出来るよう常にスタジオ全体を見渡し、
お客様を観察することになります。
人を観察する癖がつくと指導力も上がりますし、
会話も弾みより一層コミュニケーションを深められます。
・運動指導スキルの向上
多くのお客様が参加していますので当然トラブルは起きます。
急な体調不良はなどもありますがほとんどの場合は未然に防ぐことが出来ます。
- 初めて参加するお客様には事前に軽くヒヤリングとレッスンの流れ、注意事項の説明を行う
- 始まる前に参加者の確認と体調の観察、注意事項説明の徹底
- 運動に適切な参加者の配置
- 水分補給の徹底
- 休憩のタイミング
- 運動中の参加者の様子を観察(体調を崩していないか・危険な動きをしていないか)
- レッスン参加後のケアについての説明(水分栄養補給・ストレッチなど)
このような項目を10名以上の参加者がいる中で行う必要がありますので
自然と参加者をよく観察するようになり、
通常の1対1の指導は自然と楽に出来るようになります。
・営業力向上
参加者が少なくなってしまえば、そのレッスンは閉講になってしまいます。
レッスンインストラクターは常に新規の参加者を獲得する努力をしなければいけません。
腕の良い先生や人気のインストラクターは当然口コミだけでも十分に集客できますが
フィットネスクラブの無料レッスンに対して運営側が求めているのは
新規のお客様を定着させることです。
ある程度多くの集客があっても固定のお客様しか参加していないようなレッスンでは
長期的に見て参加者が目減りします。
フィットネスクラブとしては会員数を増やしてほしいので、
新規の参加者がいないレッスンは求められていません。
そのため人気のあるインストラクターは常にレッスンの前後でその時間帯に来館されている会員様とコミュニケーションを取り自分のレッスンの宣伝をしたり、参加して頂いた方に感想を伺ったりしながら新規顧客の獲得を怠らないようにしています。
長くレッスンの枠を勝ち取るには地道な営業努力が必要です。
・セルフマネジメントスキルの向上
フィットネスの現場は基本的に接客業ですから身だしなみは最低限以上に大事です。
清潔感の無いビジュアルでは確実に集客できません。
「カッコいい」「かわいい」「きれい」かつ「元気」なインストラクターは
多少腕が無くても確実に人気が出ます。
どれだけビジュアルが良くてもいわゆる「陰キャ」な雰囲気のインストラクターは
人気が出ません。
参加している皆さんは健康で元気になるためにフィットネスクラブに通っているので
不健康そうな暗い人はどんなに腕が良くでも集客できません。
フィットネスクラブでパーソナルトレーナーをつけたりスタジオレッスンに足繁く通うお客様は基本的にトレーナーやインストラクターのことを先生と呼ぶことが多いです。
なぜ先生と呼んでしまうかというと「その人のようになりたいから」なんですね。
きれいなヨガインストラクターにあこがれている人は
きれいなヨガインストラクターのレッスンに参加しますし
カッコよく踊れるようになりたい人は
ダサい服を着た陰キャそうなダンスの先生よりも
カッコいい服を着たさわやかなダンスの先生のレッスンに出ます。
マッチョなボディビルダーにあこがれている人は
太った一般的な体系のトレーナーよりも
バキバキに絞れてるデッカイ体のトレーナーに指導を受けたいです。
とても当たり前の話なんですけど
お客様のあこがれる存在になることが長期的に指導者として人気になる唯一の方法です。
考えれば当然と言えば当然なんですけど
これを全然わかっていないインストラクターやトレーナーは山ほどいます。
勉強して誰よりも技術と知識があっても
それがお客様に伝わらなければ全く意味がありません。
人は見た目が9割なんて言葉があるくらいですから
大体ぱっと見でお客様はインストラクターを選びます。
会話術はそこを乗り超えた後に必要なものです。
「憧れの先生」を演出する能力を身につける。
あるいは自分にそれが出来るのかを早期に判断する方法として
スタジオレッスンを担当するというのは非常に有効な手段となります。
レッスンが苦手なら
もし自分が現場指導に向いていないと判断できるのであれば
さっさと経営やマネジメントの勉強をして
会社の運営側に入り込む道を模索する方が良いでしょう。
そもそも勉強が嫌いという人やコミュニケーションが苦手な人は
フィットネス業界そのものが向いてないのでさっさと転職してください。
まとめ
フィットネスの現場は常に対人コミュニケーションが求められる分野です。
スタジオレッスンは自分自身がフィットネス業界でやっていけるかどうかを
判断する上で非常にわかりやすい指標になります。
スタジオレッスンで人気になれる方は
インストラクターとしてもトレーナーとしても成功出来る可能性が高いです。
フリーのトレーナーの方であればスタジオレッスンは働きながら
有料指導の宣伝も出来る状況が作れます。
自分の場合だとスタジオレッスンに参加して頂いたお客様が
有料のグループレッスンにも参加してくださったり、
パーソナルトレーニングに申し込んでくださったりしています。
お客様が無料レッスン・有料グループ指導・パーソナルトレーニングの
すべてに参加して下さるようにアプローチをしていけば、
それぞれの入り口から全体の集客を伸ばせます。
後は結果を出しさえすれば口コミで無限に集客できます。
※ありがたいことに僕のパーソナルは常に満枠埋まっていて
予約待ちのお客様が待機している状況です。
トレーナーを目指している方でも挑戦できるチャンスがある人は
是非積極的にスタジオレッスンにチャレンジしてみてください。
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